[大峰]川迫川布引谷・鉄山ルンゼ
2000年11月19日遡行
てるさんが撮ってくれた、必至の形相の小山伏
この記録は、niftyserveのFYAMAALP11番会議室に書いたものです
囲炉裏・まこっちゃん企画
BAKUちゃんが、何故か前々から行きたがっていた。
小山伏は、ふ〜んと聞き流していたが、まこっちゃんが企画を挙げて来た。
メンバーを見ると、キンゴとてるさんが乗っている。
ええ〜、そんなにおもろい所なん?
後先考えずに、「行きま〜す」と手を上げてしまった(^^ゞ行けるんやろか?
ま、このメンバーなら引き上げてもらるだろう(^^ゞ
今年、初めての谷行きと言う(ナンチュウヤッチャ)薫ちゃんも含めて、
計画は動き出し
たのであった。
【日 時】2000年11月19日
【天 気】快晴
【メンバー】まこっちゃん、BAKU、薫、キンゴ、てる、小山伏
【地 図】弥山
[アプローチ]
前夜、まこっちゃん、薫ちゃん、小山伏のおっちゃん達は、先発して大川口で宴
会(^^ゞ
遅れて来たBAKUちゃん、キンゴはいつまでも宴会したそうだが、12時半でギブ
アップ、就寝。
4時過ぎ、小用で起き出すと、寝待月が晧晧と冴え渡り、山入端には北斗七星が
かかっている。
久々の晴天のようだ。
6時、てるさん到着。寒い!風邪ひいてるし、寝てよかな(^_^;)てな訳にも行か
ないので、今日は濡れないぞぉ〜と決心して、起き出す。
ところで、まこっちゃん、鉄山ルンゼって何処?(^^ゞ
大川口から、車一台で、布引谷の二俣へ向かう。
どちらも広いガレ谷。右俣には通行止めの林道が登っている。
谷筋を通して、鉄山らしきピークが朝日に輝いている。
「キンゴぉ〜、お前と来たら・・・」「はいはい、寒い!でしょう、冬だもん
(^_-)」
7時15分出発。
[溯行]
右股の林道を行く。砂防堰堤が幾段にも重なっている。
左にヘリポートがあり、すぐ右手に入るゴーロの谷が、鉄山ルンゼだ。
紀峰山の会の報告を見ると、紅葉の素晴らしい谷らしい。時期は過ぎてしまった
が、どうやら今回の計画は「鉄山ルンゼに紅葉を見る」と言う企画だったらしい。
やっと分かった(^^ゞ
とにかく、チョックストーンを越えて行くだけ
ゴーロの谷をしばらく登ると水が出てきて、3mに続く10m斜瀑の右を溯る。
2m、3mで、二段に重なったチョックストーンの下に2mが落ちている。
皆、右側を攀じ登って行く。小山伏は足が短いので、「シュリンゲ〜」と叫ぶと、
まこっちゃんがザイルを投げてくれた。
2mナメに続いて、2mを右にかけるチョックストーン。
先程のに味を占めて、又「シュリンゲぇ〜」と叫ぶと、「ええ〜、又ザイル出す
のぉ〜」と、ブーイングの嵐。仕方がないので登る(^^ゞ
トユ5m、2mで、岩があって、大きな倒木が横たわっていて、大岩の上に更に
大きな岩が詰まっている。
ここは、一つ目の岩を右から登って、倒木を左から右へ渡って二つ目の岩を越え
て大きな岩の下に出る。
大岩の下は岩屋になっていて、奥の方に明かりが見えるが、少し狭すぎて抜ける
のは無理。右手を攀じるのだが、しんどそう。まこっちゃんと二人取り残されて
「ザイルぅ〜」し〜〜〜ん(ーー;)
まこっちゃんの足を支えて登ってもらい、シュリンゲで引き上げてもらう(^_^;)
「お前らには、敬老の精神がないのかぁ〜」え?何?それ(~_~;)
(ここまで、50分)
その上には、左に水のあるルンゼが入り、谷はゴーロになり水が涸れる。
右に左にルンゼが入り、本谷はゴルジュになり、左前方に15mの岩峰が立つ。
谷中には何故かワイヤーが張ってある。これを掴んで登れと言う事か?
5mの直瀑をBAKUちゃんが右から登って行った。皆は、左を登っているが濡れそ
うなのでBAKUちゃんの後ろを。なんで、こんなフェイス登れるねん(@_@)
頑張って登ってきたので降りれない、左に渡れと言うが怖い、詰まってしまった
(^_^;)
ザイルを出してもらって、左へ渡り、流れの中を直登。ワイヤーを引っ掴んで乗
っ越す。びしょぬれやぁ〜。風邪ひいてるのにぃ〜。今日は、目論見が全部外れ
る(;_;)
ま、日差しが暖かいから許すとするか。
ワイヤーに沿って、2m、3m、3mナメ、チョックストーンの2m、チョック
ストーン、3m、チョクストーンと登って行くと、大岩が詰まっているのを見上
げる。
一つ岩を越えると、2mの上に岩が詰まって、その上に更に大きな岩が重なって
いる。左は15mの壁。
右の岩棚を渋くへつって、岩の上を左に移り、大岩と壁との隙間を攀じる。こう
言う風な、力の要らない所は、おっちゃん二人は強い(^_-)
あとは、ザイルで確保。ドヤ、マイッタカ(^^ゞ
皆、クラック状になった所を登っているのに、クライマーてるさんは、格好良く
大又開きで(なんと言う登り方か知らない)フェイスを登ろうとしている。あれ
で滑らなければ、本間に格好良かったのに(^_-)
谷の正面に、ピークが見えた。
すぐ大岩が詰まって、左はトユ状7m、右は5m。
左の水際をクイッと乗り込んだら後は楽そうだが、濡れたくない小山伏は、右の
壁へ。つるつるの壁の上の笹薮を引っ掴んで猿渡り。誰もついてこなかった。あ
たりまえか(^_^;)
上で、のんびりしていると、最後のてるさんが手間取っている。
その内「ワー」と言う声。しばらくして、ガラガラガラと落石。
「大丈夫かぁ〜」「ザイルぅ〜」
手を置いた岩が、50cm程の長さで剥がれたとか。そのままなら足を直撃しそう
なので、両手で剥がして捨てたのは良かったが、手がかりが無くなって、動けな
くなったそうだ。お騒がせ(^_-)
BAKUちゃんもこのルートから登って来ているが、この剥がれた岩を蹴って、右の
フェイスに逃げたそうだ。なんであんな所登れるんやろ?
その上で、左に水のあるルンゼが入り、本谷の流れは、申し訳程度になる。
左手にピークが見て、その上は、門のようなゴルジュの入り口になっている。
紀峰山の会の紅葉の写真は、ここみたいだ。今は枯れ木だけど(^_^;)
(ここまで、1時間30分)
青空に向かって登って行くような、ルンゼ
門をくぐって、どんどこ登って行くと、大チョックストーンが谷を塞いでいる。
下は洞穴になっていて、奥に明かりが見える。くぐれそうだが、30cm程の岩が
引っ掛かっているだけのように見える。一個でも動けば周りの岩がまとめて落ち
てきそうで、あわてて逃げる。
右手のクラックを登れるかと、てるさんが取り付いてみるが、見た目よりもきつ
そう。
その下右手のドロ付き斜面をてるさんが見ている。左に立木、右には笹薮もあり、
詰めて左に逃げれば大岩の上の立派な木に登れそうだ。後は、分かんない(^^ゞ
まこっちゃんは、更に下の左手のドロ壁から巻くと4人で降りて行った。
我等は、左手の立木からドロ斜面をトラバース、右手の笹薮を引っ掴んで岩の下
まで詰めると、左手の壁には立派な木の根が岩肌に沿って降りてるじゃないの
(^_^)v
それを引っ掴んで大岩の立木に登り、ちょっとびびるバンドを伝って大岩の上に
降り立った。
降り立った右手のその上は、抉れた壁が登っていて、そこしか通れないドンピシ
ャルートであった。うれしぃ〜(^○^)
日差しも暖かい。ドロ壁ルートは手間取っている。タバコを、一服、二服、三服、
優越感のひと時(^^ゞ
その内、ガラガラガッシャーン。岩の上で見ていたてるさんが「あぶな〜い」と
叫ぶ。
ここからは見えないが、薫ちゃんが滑ったみたい。下でビレーをとっていたBAKU
ちゃんの横を岩がすっ飛んで行った。かなり厳しそうですぅ〜。
25mザイルでは足らないので、登った所で一旦溜まり、笹を漕いで乗っ越して
大岩の上へトラバースして来た。
格好良く登ってくるなぁ〜(^_^;)
チョックストーンを越えると、ガレたルンゼになる。左右に幾つも亀裂が登り、
剥がれた岩が立つ。
落石に気を使いながら登って行くとチョックストーン。
右手のクラックをキンゴが長い手足で登って行った。
「キンゴ〜、ザイルぅ〜」「持ってな〜いも〜ん」役に立たんやっちゃ(^^ゞ
てるさんが、真似出来ないムーブで登る。参考にならない登り方はして欲しくな
いなぁ〜(^_^;)あとは、プルージック。
登ると、枯れた倒木があって、あとはガレガレの谷になる。
右手の壁は、綺麗なフェイスを見せている。
一登りで鉄山南西のコルに登り立った。登山道を右して山頂はすぐ。
(ここまで、2時間)
神童子谷と大峰の稜線
弥山からの尾根
山頂手前の展望台から、行者還、大普賢、山上、稲村、バリ小屋に囲まれた神童
子谷が眼下だ。川迫ダムが光っている。目を転じると、弥山中腹のBAKUちゃん達
が遭難しかけた草原から、弥山が見える。ガスってたら迷うわなぁ〜
素晴らしい展望を楽しんで、下山にかかる。
[下山]
ピーク下の平坦部は切り開かれている
登山道を大川口へ下る。
ピーク下の平坦部の眺めも良い。どんどこ下って行く。昔は、結構笹に覆われた
ヤブ道だと記憶していたが、ま、冬と言う事もあるのだろう。快適に皆は下って
行く。1130m辺りの展望台を過ぎた所で、皆が待っていた。
「小山伏さ〜ん、足でも痛いのぉ〜?」「いつものペースですぅ〜(^_^;)」
ここで、えらい事を思い出す。
それは、出発前の事だ。小山伏の車を大川口にデポして、BAKUちゃんの車で入谷
地点に移動する。
車のキーを落としたら嫌なので、BAKUちゃんに、「キー、どっかに仕舞うといて」
「よっしゃぁ〜、まかしときぃ〜」これだけの事なんやけど。
兎に角、皆は走って、小山伏はゆっくりと、大川口の橋へ降り立つのであった。
(ここまで、1時間25分)
[後記]
林道から振り返った、鉄山のピーク
紅葉は残念だったが、結構楽しめる谷であった。
ただ、落石がメンバーに危険を及ぼすのは必至なので、初めから最後まで気を抜
けなかった。
お陰で、時間の割には脹脛が疲れている(^_^;)風邪のせいもあるけどね(^^ゞ
これが、BAKUちゃん好みの谷かぁ〜。そら、信じられへんとこ登れる奴はええわ
なぁ〜(^^ゞあんたの後ろは付いていかれへん(^_^;)
また、連れてって下さいませ(^_^;)
まこっちゃん、また面白い所、宜しくぅ〜
薫ちゃん、今年二回目の沢登りはあるのか?夏の谷もええでぇ〜(^_-)
てるさん、中高年にも無理の無いムーブを教えてくださいませm(__)m
キンゴぉ〜、いよいよ二人の谷シーズンの始まりやなぁ〜。我等に、オフはない
(^_-)
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手書きの溯行図