【大峰】川迫川・神童子谷、岩本谷


1999年7月10日遡行



大日岳の山頂

みなさんさん、こんにちは。BAKUです。
(大峰)神童子谷、岩本谷の報告です。

【日  時】平成11年7月9日〜11日

【天  気】晴れ

【メンバー】小山伏さん、KUROさん 、矢問源氏さん、和田、BAKU

【コース】神童子谷林道終点ー赤壁滝ー釜滝ージョレン滝ー稲村小屋ー大日山ー岩      本谷経由ー白倉谷林道終点

【地  図】弥山




ぱんちょさんの見送りで小山伏号(小山伏さん、矢問源氏さん、和田、BAKU)は 午後9時30分王寺を出発。橿原経由で23時にKUROさんと合流予定の五番関の トンネル入り口の前の東屋に到着。しかしもうすでに来ているであろうKURO号は 止まっておらずひょっとして勘違いしてトンネルの反対側の大天井茶屋跡の所に も東屋があるのでそこと勘違いしたかもしれないと思いそこにも見に行ったが姿 は見えず仕方がないので引き返して荷物を降ろしかけるとKUROさんが到着した。
我々と10分の時間差でこちらに向かっていたようだ。これで今日のメンバー5 人が全員揃う。テント、宴会の用意をしていつもながらの小山伏さんの手料理に 明日の朝の出発はかなりゆっくりだという安堵感も手伝ってついついアルコール が進む。あっという間に2,3時間が経ちそろそろ眠たくなってきたので寝るこ とにした。
明くる朝、7時に起床。それぞれ個人で朝食を済ませ8時に沢道具も身につけて テン場を出発。昨日の宴会の話の中で稲村からの下山のルートを登山道から岩本 谷の沢筋を降りることに変更され、途中KURO号を白倉谷の林道終点にデポし、そ れから小山伏号を神童子谷の林道終点迄移動させた。

9:00 車を置いた橋のたもとの脇道から川床に降りる。次から次へと美しい 歩きやすい淵があらわれる。朝早いのか、それとも寝不足なのかどうも足が思う ように前に出ない。ましてこの沢の石や岩は良く磨かれピカピカ光っていてとて も滑りやすく何回も足が取られそうになる。でも暫くすると足も体も調子が出て きて10:05にへっついさんに着く。この風景は日帰り沢登りの本に載ってい るので皆さんは見覚えあると思いますが両方がゴルジュになっていて薄暗いがな かなか趣深い所である。水量が少ないので膝辺り迄濡らす程度で簡単に通過でき た。

へっついさんを通過する

10:40 高見淵に着く。後で分かったのだがこの淵の右奥に2本の小滝がか かっていた。この小滝が赤鍋の滝だろうか? この2本の滝とこの淵とあわせて 赤鍋の滝と言うんだろうか定かでは無い。高見淵は美しい大きな釜を持っており 8メートル程のナメ滝がかかっておりこのナメを登ることは無理なので小山伏さ んが先に左岸の残置ハーケンを手がかりに拾って滝口に上がる。小山伏さんが水 と戯れていると突然姿が見えなくなった。水しぶきが上がり何かがあったようで その後数時間後まで背中が濡れていたのでたぶん何かがあったんだろうとだけ書 いておこう。そうこうしていると向こうから小伏伏さんの来いと言う手の合図で KUROさん、和田、矢問源氏さん、BAKUが続く。足場がかなり悪くツルツルで一歩 間違えばこの大きな釜に流されてしまう。ここで暫く遊んでしまう。楽しかった。

高見淵をこわごわへつって遊ぶ

11:14 この赤壁の滝の右岸を高巻きして上流の滝口に出た。ここで少し早 いが昼食にした。

12:05 ここからはダラダラと続く幾つかの美しい淵を何の苦労もなしに通 過して左からの上サンゴウジ谷のゴルジュ、そしてしばらく綺麗な割に幅のある 穏やかな河原を通過して12:45釜滝に着く。
美しい淵の釜滝
この釜には数匹のあまごの魚影があったのでKUROさん、和田、BAKUがそれぞれ良 いポイントを探して竿を出すがあまごちゃんからは全く知らん顔されて結局誰も 釣り上げることはできなかった。悔しい〜。折角いつもは買わない高価なイクラ を餌に選んだのに〜。20分程、竿を出していたが一つのあたりもなかったので 納竿する。この釜滝は少し変わっていて2本の内、1本は本流からでもう1本は ノウナシ谷の流れの一部が滝口の穴(正確には岩の割れ目)から流れ出している。
つまり2本の沢が同時にこの釜に水を落としている。この釜滝は直径30メート ル位で形も凄く良く水の色もエメラルドグリーンでこの日はとっても蒸し暑いの で泳ぎたくなるような気分だ。
その後この釜滝の右岸を高巻きして右から流れてきている子笹谷の流れを横目に 見てすぐに二の滝5メートルを迎える。ここの釜もかなり深く感じられ右側を巻 いて滝口へ上がる。

13:41 するとすぐに一の滝があらわれる。この一の滝もかなり立派な滝で おそらく10メートルはあるだろうか。釜も立派で直径15メートルはありそう だ。この滝をバックに全員の集合写真を撮る。それから左岸の巻き道を大きく巻 き登り上がる。すると10分もしないうちに右から水を落としているレンゲ坂谷 に出会う。このレンゲ坂谷の水はかなり美味しくこの水で喉の乾きを潤した。

13:50 今日の予定終了で、このレンゲ坂谷出会いでザックを降ろしテン場 を整地してテントを張りたき火の為の木々を集め、疲れた体を休める事にする。
じっとしていてもする事がないので小山伏さんはぼとぼちと夕食の準備、KUROさ んは疲れたのか河原でお昼寝、こうしているうちにもゆっくりと心地よい時間が 流れる。
午後4時頃から飯盒でご飯を炊き、今晩のメニューはちらし寿司と炉端焼きと聞 いてみんな顔を見合わせてニコッとする。その後午後10時頃までいつものよう に宴会が続き10時30分頃には寝袋に身を横たえた。

7月11日 午前7:00 起床
昨日のたき火の火種が残っていたので小枝を足して火力を強くしてみそ汁を作る ためのお湯を沸かす。今朝の朝食は昨日のちらし寿司の残りとKUROさん特製のみ そ汁で簡単に済ませ8時12分にテン場を後にした。この辺りから谷の勾配も徐 々に強くなり3メートルの小滝、10メートルのナメ、そして4メートルの滝を 左から巻いて8時35分に25メートルの犬取滝に着く。ここで全員の集合写真 を撮る。
両岸にゴルジュが立ちはだかり右岸の巻き道を伝って大きく巻いて9時7分に滝 口に出る。この巻きはかなりきつくてみんな無言で黙々と歩いた。蒸し暑くって ほんまにしんどかった。この犬取滝の滝口はとても広くテン場に適した所があち こちにありKUROさんはこの場所の雰囲気にとても気に入った様子。
次に4メートルの滝を右に巻いてその先の3メートルの滝のたもとで休憩する。
9時31分。暫くの休憩の後、数分間か歩くとこの谷最後で最大のジョレン滝に 突き当たる。ガイドには2段60メートルと書いてあるが小山伏さん曰く「どう も後ろに掛かっている滝が少し後ろ過ぎるので2段とは言い難いな」と独り言。
しかし確かに大きい。このジョレン滝の少し右手前にも水量は少ないが25メー トル程の滝が掛かっている。この滝は裏見ノ滝と呼ばれ途中で岩がハングしてい るので水量が多いときには岩と滝の間を歩くことができるのでその様な名前が付 いたようだ。残念ながらこの日は水量が少なかったのでその間を歩くことはでき なかった。無理にでも強行していたら多分、全身びしょ濡れになっていただろう。

10:05 このジョレン滝の左側を大きく巻いて滝口を目指していたが小山伏 さんが突然「どっかでこの滝の一段と二段がカメラに収まるポイントを探してい るんだが、あれへんな〜。このまま巻いてしまうとこの滝の写真が無い〜」と言 いだし巻き上がる途中、少し道からそれてザックを降ろして写真だけでも撮りに 行く事になり一段目の滝口の方に行こうとするがその途中10メートル程通過す るところに勾配のきついザレがありもし足でも滑らせたら滝口まで確実に滑落す ると言う判断で小山伏さんがザイルの設定の為に補助ザイルで懸垂下降してザレ 場の向こうまでトラバースしてザイルを工作し、そのザイルを頼りに全員無事に 通過する。
しかし写真を撮りに行ったのは小山伏さんだけで我々は又、怖々ザイルを伝って 元のザックを置いた巻き道の所まで戻る。ここで約20分程遊んでしまった。

ジョレン滝の、下と上。上の滝は、谷床は流木で埋まっているが、迫力がある

11:00 こうしている間に今朝から入谷したと言う3人組に追いつかれてし まった。何と早い足の持ち主だろう。我々はここまで来るのに丸々一日半もかか ってしまったのに彼らは半日で来てしまった。恐らく登山道から来たのだろう。
我々もいつまでも遊んでいる訳にもいかないのでザイルを撤収して行動を開始し た。しばらく歩いたやろうかな?  ジョレン滝の上部まで高巻きして小さな滝 を2,3つ越えたところでKUROさんの「昼飯や〜」と言う声で待ちに待ったお昼 タイムとなった。11:35。
この先も2〜3のナメを快適に登り水も徐々に涸れてきて最後の力を振り絞って 登っていると真っ正面に何か新しい建物とその左の方に見覚えのある稲村小屋が 見えて来た。ヤッホーと言う声をみんなが上げ、それぞれ歩きやすい所を一気に 駈け登った。

12:05 稲村小屋に到着。この真っ新な建物はつい最近完成されたソーラー システムの公衆トイレであった。ここで矢問源氏さんにビールを買って来てもら い乾いた喉を潤す。余り冷えてはいなかったが美味い。ほんまに美味かった。ド ウモオオキニ、ヤトウゲンジサンm(__)m
時間が丁度、昼食時だったので小屋の前で弁当を広げている人達が大勢いた。そ の中に先程、我々を追い抜いて行った3人組も休憩していてビールを飲みながら 暫しの間、話をした。その内の一人は囲炉裏の百さんそっくりのしゃべり方で何 故か親しみがもてる。ここで20分程休憩して12:26に大日山(大日キレッ ト)に向けて出発。大日山のピークに登るのだが梯子が掛かっている一般道の方 からではなくその裏側の踏み跡の不明瞭な直登コースを登るとか。下山の谷口に 荷物を置いて急斜面の木の根っこを手でつかんで登るのだが足が滑ってなかなか 取り付けない。暫く必死で登っていると突然、矢問源氏さんが「恐い、もう止め る〜」と言い出したがKUROさんが「ここから降りたらよけ危険や〜、ここまで来 たらもう登るしかない」とキッパリ言って矢問源氏さんも必死で最後の力を振り 絞って登り切ってしまった。しかしここからの登りは確かに恐い。下を見ると足 がふるえてくるし落ちれば多分助からないだろう。しかし下りも同じルートをた どるらしい。こりゃえらいこっちゃ。す〜っと落ちた絶壁を見ながら降りるのは 確かに恐い。危ないところにトップの小山伏さんがシュリンゲを掛けてくれたの でそれを伝って無事に荷物の所まで降りて来られた。あ〜、やれやれ。

13:30 やっと岩本谷へ下山開始。暫く谷を下っていくと小山伏さんが「前 に来たときと何か感じがちがうな〜」と言い出す。このルートで合っているのだ ろうか?一瞬不安がよぎる。しかしこのメンバーは皆小山伏さんを信用している ので水の無い谷をどんどん下って行く。下っても下っても水が出てこない。下山 開始から2時間ほど下っただろうか?15時30分にやっと水が出てきた。ここ でしばらく休憩。この先少し下ったところで小山伏さんの記憶のあるゴルジュに 着いた。15時45分。ここは巻いて降りる。段々夕方に近くなっていくのでど んどんピッチを上げて下っていく。高度計では車までもうそんなに遠く無いはず だ。16時30分にもう一度休憩。この辺りで小山伏さんが岩の間に足を突っ込 んで足先を痛める。かなり痛そう。大丈夫だろうか?現在の高度計は925メー トル。確か地図では車の置いてある所は850メートル。後もう少し頑張ろうと 張り切っていると僕の先を歩いている矢問源氏さんがツルツルの岩の上で足を滑 らしバランスを崩して危うく水の中にと思ったらひょいと立ち直りセーフ。
「危なかった〜」と思っていると今度は僕が川の中の浮き石に足を取られバラン スを取る間もなく肩まで水に浸かるドボンをやらかした。なんてこった。ズボン は勿論のことシャツ、ザックから水を垂らしながら歩く。そうこうしている内に 林道からの出会いの道が見えてきてそちらの方に下っていくと2〜3分で車まで たどり着けた。

16:55 車の場所に到着。ここで簡単に荷物の整理をして小山伏さんの車を 回収して天の川温泉へと向かった。

18:30 温泉着
19:30 温泉発
21:40 王寺着 いつもの中華屋さんで打ち上げ乾杯して解散する。


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